【顔も知らない妻からの手紙が、いつしか生きる希望となっていた】
没落子爵家の跡取りで、戦前から平民同然に暮らしてきたバーナード。
徴兵され戦地に出て二年、実家にも戻れない彼の元へ母から手紙が届く――。
「この度、あなたは結婚しました」
妻になったというチェリーは名も顔も知らず、会ったことさえない。生きて帰れる保証もない以上、この遠距離結婚は早々に解消すべき――つまり、離婚を切り出す返事をしたためる。
一ヶ月後、妻からの手紙にあったのは、たった一行の言葉だった。
【あなたが死なければ良いだけでは?】